三重は食と酒の宝庫。忍びの里の銘酒は世界へ。

 

現在、三重県に存在する日本酒の蔵元は35蔵。
ほとんどが地元で消費される、地元に根付いた蔵元。
全国の地酒通に名を知られる蔵元。
大小、様々な蔵元が存在しており、個性豊かな日本酒を醸す。

三重の酒造りが盛んな地域は、大きく分けると3つ。

1・北勢(桑名・四日市 方面)

2・中南勢(津・松阪・伊勢 方面)

3・伊賀(伊賀・名張 方面)

どの地域も豊かな水に恵まれ、良いお米が育つ酒づくりに適した地。
三重はまた、海の幸、山の幸に恵まれた食の宝庫。
さまざまな食材や料理に合わせた多彩なお酒が地域の豊かな食文化を育んできた。
今回は伊賀地域で酒づくりをする「大田酒造」に伺い、三重の酒のおいしさの秘密を探っていく。

大田酒造外観

名阪国道 上野インターチェンジから車で約5分。
古い町並みの中に佇む、明治25年(1892年)創業の酒蔵「大田酒造」。

大田酒造の店先には「半蔵」の暖簾。

代表銘柄は「半蔵」。

言わずと知れた伊賀忍者の頭領と伝わる「服部半蔵」から付けられた、伊賀ならではの名前。

伊賀の銘酒「半蔵」のポスター

純米大吟醸 半蔵

店内に並ぶ半蔵の数々

果実の様な華やかなもの、落ち着いて楽しめるもの、さまざまな顔を持つお酒。
その味わいのバリエーションの豊かさには本当に驚かされる。

名古屋国税局酒類鑑評会や三重県酒類鑑評会、 ワイングラスで飲む日本酒アワード、スローフードジャパン燗酒コンテストなど、 近年ではさまざまなコンペティションで高い評価を受け、進化を続ける。
そして2016年5月に開催された伊勢志摩サミットでは乾杯酒に。
世界の行く末を論じる間、首脳たちの心を和ませたことだろう。

伊勢志摩サミットでの乾杯酒にも選ばれた「半蔵」

最高金賞の盾

酒造りに対するこだわりを大田酒造の大田智洋(ちひろ)さんに伺った。

大田智洋(ちひろ)さん

記者:「半蔵の一番の特徴は何ですか?」

大田専務:「半蔵の特徴は一言では表せませんが、重要なのは地元の素材です。」

もろみ

お米。

水。

地元のものをしっかり取り入れて造り上げることが特徴と話す。

大田酒造の杜氏(とうじ。酒造りの最高責任者)の藤井久光さんも
「空気もおいしく、水もお米も豊かな伊賀の地は酒造りに適した地」と語る。

寒暖差が大きく良質でおいしいお米が育つ伊賀。周囲は山々に囲まれ空気も清らかで、冬の寒冷な気候もあり、酒づくりに適した環境が備わっている。

杜氏の藤井久光さん

 

《12月。蔵の奥では発酵を続けるお酒が並び、吟醸香と言われる華やかな香りに包まれる。》

華やかな香りに包まれる蔵

大田智洋さんに今後の展開を伺った。

大田酒造は現在、年間約500石(1石=180L・一升瓶100本分)。

酒造期に岩手から杜氏を招き生産する方法を取っている為、限られた時間の中では大幅な増産は難しい。

そこで、後継ぎの息子さんに、酒づくりの技を身に付けてもらおうと考えているとのことで、大学で醸造学を学んだ後、現在は別の蔵で一職人として酒づくりを学んでいるところだという。

このような知識や経験を生かした「新たな半蔵」が今から楽しみでならない。

海外でも人気となっている日本酒。
「半蔵」はこれまでも、アジアやオーストラリアを中心に輸出も行っており、今後はヨーロッパも視野に入れ活動をしていきたいとのこと。

「全国の皆様、また世界の人々に忍びの里の酒を味わってもらいたい。」

地元「三重」を愛する想いを持って世界へと動き出した蔵元。

忍びの里の銘酒「半蔵」。

今後の進化から目が離せない。

大田酒造の大田勲さん(右)と大田智洋さん(左)
大田酒造の大田勲さん(右)と大田智洋さん(左)

(2016年12月12日取材)
企画編集:三重に暮らす・旅するWEBマガジンOTONAMIE運営本部
取材:S50.TAKEUCHI(OTONAMIE記者)

取材協力

株式会社大田酒造
http://www.hanzo-sake.com/
三重県伊賀市上之庄1365番地の1
TEL 0595-21-4709

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