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三重の食結び
~外国人がめぐる美味しい体験記~
忍者のふるさと、伊賀の食旅

京都や奈良と接し、古くから「みやこ」との交流が深く、伊勢神宮との交通の要衝として、栄えた伊賀地域。盆地特有の気候風土などから良質な米を産し、豊富な水と合わせて日本酒づくりも盛んなところ。この伊賀の地を、三重の食文化に関心のある外国人4人組が、まだ海外で知られていないうまいものどころを探して食べ歩き!その様子をピックアップしてご紹介します。

左から、
台湾出身のカンさん(観光で来日)
台湾出身のシャさん(大阪市在住)
フランス出身のアガットさん(三重県内の大学に留学中)
中国河南省出身のソンさん(三重県内の大学に留学中)

◆美しい和菓子に感動

伊賀市の伊賀上野城付近にはお菓子屋さんが軒を連ね、「城下町お菓子街道」ともいわれています。 そのひとつ、創業から400年を超えるといわれる老舗和菓子店を訪問。

皆さん、和菓子といえば生菓子と思っていたようです。生菓子以外にも、干菓子や焼菓子、ようかんなど多様で、甘く濃い味わいのものからあっさりとした食感まで好みに合わせていろいろ選ぶことができると知り、その楽しみを味わっていました。

また、4人とも和菓子は機械で作っていると思っていたようで、手づくりと知り、とても驚いていました。そこで特別に、菓子作りの実演を見せてくださいました。和菓子職人の手仕事の細やかさとその手から生み出される和菓子の美しさに「まるでマジシャンのよう」「かっこいい」と感動しきり。 特に「季節を表現するお菓子」というのは外国にはない感覚のようで、強く興味をそそられていました。
《通常は菓子作りの実演は行っていません》

◆進化し続ける伝統の味、漬物

和菓子屋さんを後にして、その通りをぶらぶら歩くと、創業約150年の老舗漬物店があります。主力商品の養肝漬(ようかんづけ)は、白瓜の芯を抜き、その中にしそ、生姜、大根、などを細かく刻んだ物を詰め、たまり醤油で1年から2年の間、樽の中で自然熟成させたお漬物です。100年以上前から使い続けている木樽もあるそうです。

養肝漬という商品名は、武士の士気を養う、つまり肝っ玉を養うというところから名付けられたといわれていて、お店の方が説明するそのストーリーを興味深そうに聴き入っていました。
店内で、お漬物のほか、お漬物を使ったドレッシングや、漬物づくりにも使われているたまり醤油を使ったアイスクリームなどを試食させてもらいました。

お漬物そのものはすごくしょっぱくて苦手といっていた人も、お漬け物をベースに作られたドレッシングをかけたサラダはとても好まれていました。かたちを変えると新たな可能性が生まれてくるのですね。
アイスクリームも、「香ばしくておいしい」、「キャラメルみたいで食べやすい」など、こちらも高い評価でした。最後に桜の花の塩漬けを浮かべた桜湯をいただきました。「見た目がかわいい」「自国にはなく、日本らしさを感じる」など、4人全員からとても好評でした。

◆甘くて美しい日本のイチゴは世界でも別格の存在

名張市の青蓮寺湖周辺はブドウやイチゴの栽培が盛んで、収穫体験もできます。1月から5月までイチゴ狩りができるということで行ってみました。
こちらのイチゴ農園では、三重県が開発した新品種「かおり野」をはじめ、「章姫(あきひめ)」や「紅ほっぺ」など、いろいろな品種が育てられています。

台湾出身のシャさんによると、台湾は果物が豊富で美味しく、日本の果物にそれほど魅力は感じないが、イチゴは別格でとても楽しみにしていたとのこと。
皆さん、食べて美味しいのはもちろんのこと、熟したイチゴを探して食べるのがとても楽しいと話していました。フランス出身のアガットさんは、収穫してすぐ食べるというスタイルはフランスにはなく、とにかくとても楽しいとのこと。

また、皆さんがこぞって高く評価していたのが、農園が美しく衛生的なこと。収穫体験は土の上でするものというイメージを持っていたようで、ビニールハウスの中で、高い位置で栽培されているため腰をかがめることなく収穫できるので安心してそのまま口にできると話していました。

◆毎日食べたい、スタイルも新鮮。焼肉で食べる伊賀牛

伊賀地域の代表的な食材といえば伊賀牛。生産者が丹精込めて育てた伊賀牛は、約80%が地元で消費され、地域外ではなかなか味わえない逸品。戦国時代といわれた16世紀ごろ、忍者が伊賀牛の干肉を携帯保存食としていたともいわれています。この伝統ある伊賀牛が味わえる焼肉店を訪問しました。

欧米人など、平均的に外国人は日本人より肉食の割合が大きく、「肉を食べていないと落ち着かない」という声もあり、焼肉店訪問は楽しみにしていた様子。海外でも和牛は流通しているもののかなり高価なものとなっていて、日本では安く楽しめると改めて実感していました。お肉の部位やタレなど、皆さんが思っていたよりメニューが豊富で、選ぶのが楽しいと話していました。メニューには牛刺しなど生で食べるものもあります。海外では流通や衛生面の課題もあり、皆さん生肉を食べる習慣はないようでしたが、食べてみると「甘みがあって美味しい」など、大変好評でした。

中国出身のソンさんはわさび醤油をつけて食べることを気に入っていました。また、ご飯とお肉を食べる日本風の食べ方が新鮮だったとか、焼肉は野菜に包んで食べるイメージなので、メニューにあった「焼き野菜」のキャベツを包むための野菜だと思ったなど、食文化の違いも垣間見えました。そのため、経営者の方に焼き方の実演をしてもらったところ、皆さんから、「なぜ日本人はタンから焼くのか」とか、「焼き肉に合う飲み物は」など質問が多く出て、お店の方も詳しく説明していました。こういうコミュニケーションがあると美味しさが一層増しますね。

こうして伊賀の食旅を満喫した4人の皆さん。旅の途中で何度もSNSで発信していましたが、これからもどんどん三重のうまいものを発掘していってくださいね。

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